遠隔診療の課題の一つとして診療報酬について議論されることが多くあります。現状の課題に対し、政府の方でも改定を前向きに進めるとの方針が出されていますので、この改定内容には注目をしたいところです。
平成27年1月に厚生労働省から発表された資料によると、平成30年度に向けて診療報酬の改定を検討すると発表がありました。 今回はこの内容を整理してみたいと思います。
これまでの診療報酬
これまでの診療報酬の前提として、疾病・負傷に対する治療行為であることと、有効性や安全性が科学的に確立されているという定義があります。
このような定義の中、診療報酬の考え方は2つに分かれます。
それは医師to医師のケースと医師to患者のケース。
医師同士の場合
医師同士の場合には、対象となる画像を病院に送り、専門的な知識を持った医師が遠隔画像診断や遠隔病理診断を行うなど、患者への医療サービスが向上している場合に対象となるとされています。
この場合に加算される診療報酬点数は以下となります。
※ 画像診断管理加算1- 70点(画像診断を専門に行う医師が管理を行った場合)
※ 画像診断管理加算2- 180点(「1」に加え、8割以上の読影結果を翌日までに、依頼 主である診療所等の医師に報告している場合)
出展: 首相官邸
対患者の場合
対患者の場合は電話やビデオチャットなどによる再診や、医療器具などの遠隔でのモニタリングになりますが、対面診療に比べて医療サービスの質が上がるという科学的なデータが必要という条件があります。
※ 電話等による再診 72点 ・患者又はその看護に当たっている者から電話等(テレビ画像等による場合を含む。)によっ て治療上の意見を求められて指示をした場合に、再診料を算定することができる。
出展: 首相官邸
平成30年度の改定方針
まだ明確な改定内容は決まっていませんが、スケジュール等は出てきていますのでご紹介していきます。
まず、平成29年の12月に診療報酬の改定率が決定し、その後翌年の平成30年1月には改定項目案を発表されるといわれています。
そして改定項目の決定とそれに対する診療報酬点数の公表があり、その時点でどれくらいの改定が行われたのかがはっきりとわかる段取りになっています。
検討される内容としては、現状中医協(中央社会保険医療協議会)でもテーマとして挙がっているようですが、今後の動きが注目されます。